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片田舎発!“スローなものづくり”で価値創造【工房織座】(1/3)

  • [レポート]

愛媛県今治市の郊外。

2005年の合併前までは玉川町だったところ。

蒼社川の清流のほとりの小さな集落に
『工房織座』はあります。

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工房織座の社長の娘さんの武田英里子さんと
初めてお会いしたとき、
僕は2つのことに関心を持ちました。

ひとつは、娘さんとお父さんが、
いい関係で仕事ができていること。

(世間では、親である社長と子供の関係が
上手くいかないケースが多いですからね)

もうひとつは、失礼ながら小さな田舎の会社が、
なぜ世の中で通用するものづくりができているのか。

その秘訣を知りたくて、遥々工房を訪ねてきました。

 

 

◆大正時代の織機を引き連れて独立◆

 

「ものづくりは田舎のほうがいいです」

「都会では、なにかとお金もかかるだろうし
大変そうですね」

と、どこか他人事で語るお二人。

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工房織座の社長の武田正利さんと、
娘の武田英里子さんです。

僕からすれば、
地方からブランドや商品をヒットさせるほうが
大変な気がするのですが・・・

 

工房織座は自然素材を活かした
マフラーやストール等の“巻きもの”を
主に企画・製造・販売する会社です。

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※写真は工房織座ホームページより

 

社長は9年前に実家の敷地に工場を建て、
ものづくりをはじめました。

穏やかさと忍耐強さを感じさせる
もの静かなお人柄です。

インタビュー開始すると、
こちらに視線をあまり合わせず、
どこか遠慮がちに語り始めました。

IMG_4590 - コピー

 

「当時は商品を都会に売るルートがなく、
道の駅に置いてもらったり、
今治特産のタオル売場の片隅に
置いてもらっていたのです。

しかし、満足していたわけではなく、
もっとアイテムを上のステージに
引き上げてあげたいと願っていました。

織っているものには、
絶対の自信があったのです」

と、工房をスタートさせた当初の様子を語ります。

まだ、2、3人で会社を回していた頃です。

そして勝負をかけるべく、
社長はインターナショナルギフトショーに
出展することを決定しました。

 

 

・・・ 結果が気になるところですが、
その前に、社長の起業時のお話を。

「私は長年、今治のタオル会社で
工場長として企画製造をしていました。

ヒット商品に恵まれたこともありました。

その経験から、自分でやるときは
手作りの感覚で価値観の高いものを作ろう、

と思っていたのです」

雇われの身だった頃は量産品を作っていましたが、
反対のスタンスでも“いける”という手ごたえを
つかんでいたそうです。

そしてそのコンセプトの相棒となるのが、
大正時代に作られた織機です。

g-13[1]

 

「今治にある資料館を立ち上げる
プロジェクトが起きたとき、

私に昔の織機を復元する役目が与えられたのです。

一介のサラリーマンだったのですがね。

織機は、あの豊田佐吉が考案した
Y式織機』です。

資料をみながら
『こうだったのでは・・・』と想像し、

部品も手作りで復元を進めました。

結果的に、機械の構造を知り、
機械を使って何ができるかを
考えられるようになりました」

こうしてものづくりのパートナーと
出会っていたのですね。

運命的なものを感じます。

 

社長は、当時とある織物産地で
壊れたまま保管されていた古い織機を
「自分が定年になったときに買うから」と、
予約をしていたそうです。

実は、社長は
「独立を考えていたわけではない」
と言います。

定年して会社を辞めるときがきたら、
織機を譲り受け、
直しながら少しずつものづくりをしたい、
ぐらいの様子だったようです。

 

ところが、平成17年
突然独立することになりました。

勤め先のオーナーが亡くなり、
新しいオーナーが会社の方針転換をしたためです。

それを機に、社長は務めていた会社を退職しました。

 

社長は全国の織物産地をめぐり、
4台の豊田Y式織機を持ち帰りました。

部品が欠けていたりと、
とても使える状態ではありません。

機械をすべて分解し、
組み立てなおすことにしました。

足りない部品は、
自分で想像して作ったそうです。

こんな途方もない作業を繰り返し、
2台の機械を作りなおしました。

しかも、単なる復元にとどまらず、
面白い織物ができるような改造までして・・・

「単純な機械だからそんなこともできた」
と社長は語ります。

 

⇒記事は次回へ続きます

 

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BB編集部だより

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