今回は、
「漢方の老舗会社が手がける『Cafe de Kampoh』」からの
スピンオフ企画です。
世間では
「子どもが会社を継いでくれない・・・」
と嘆く社長が溢れる状況ですが・・・
先日黒姫和漢薬研究所に取材に行った際に
偶然お会いできた社長さんの息子さん(高校生)は、
すでに「会社を継ぐことを決めている」とのことでした。
この差は一体どこで生まれたのでしょうか?
その謎を突きとめるべく、
黒姫和漢薬研究所の三代目候補である狩野森さん(高校三年生)に
インタビューを敢行しました!!
ご長男の狩野森さん(現在高校三年生)。休日にはカフェのお手伝いもしています。
― 将来会社を継ぐ意思というのはもうおありですか?
「はい、ありますね。
幼稚園の頃から会社を継ぐんだろうなぁということは、
自然に思っていました。
小さい頃から自分のところのお茶を飲んで育ってきたので、
商品のいいところも良くわかってますし。
もちろん、もっとこうした方がいいのに・・・ということも考えたりしてました」
高校生とは思えないほどしっかりした受け答えです!
また、小さい頃から継ぐ意思があったって驚きですよね。
今なんか後継者がいなくて困っている会社が多いくらいなのに。
― これから大学へ進学されますが、どういうことを学ぼうと思っていますか?
「高校から大学はエスカレーター式なんですが、
僕は経営法学科というところに進むことを決めました。
将来のために経営と法学を勉強しようと思って。」
棚にはお店自慢のお茶が並んでいます。
棚だけ見ると、とても漢方が並んでいるとは思えません。
― 三代目ということでプレッシャーなどはありますか?
「そうですね、、、プレッシャーは特に感じてないです。
それよりも楽しみの方が大きい。
従業員の方も小さい頃から知っているので。」
― どんな経営者になりたいですか?
「自分がトップに立つということで、
会社という集団に対してどれだけ尽くせるか、
いかに自分が率先して取り組めるか、
ということをきちんと考えられる人になりたいです。
これは部活でお世話になっている弓道の先生から教わったことなんですけどね。」
落ち着いた様子でしっかり将来を考えている森さん。
最近は会社を継ぎたがらない後継者が多い中で、
その姿はとても新鮮に映りました。
店内の様子。カフェにはまるでバーのようなカウンターがあります。
一体どうしたらこんな風に育つんだろ・・・??
不思議に思っていたその時、
お母様からその秘密を教えていただけることに。
「大きな理由とは言えないかもしれませんが、
うちでは毎朝5分程度家族で朝礼を行っているんです。
5時半に家族が一列に並んで、気を付けをして、
『ほほえみ読本』の1節を唱和するのが日課。
これは先代が自分の気に入った歌や詩を集めた本なんですが、
その先代の教えをみんなで共有するために始めたんですよ。
それに、社員の方々は毎日を理念唱和していますしね。
にもかかわらず家族がしないのは変だろうってことで。」
えーーー!!毎朝5時半!?
一番末っ子のお嬢さんはまだ6歳。
でも毎日早起きしてがんばっているんだとか。
もう脱帽です。。。
「また、朝礼では家族で役割分担があるんです。
長男は家族理念を唱和する係り。
次男は読んだ1節の内容を一言でまとめる係り。
三男は1日の前向きな一言を言う係り。
そして末っ子の四女はほほえみ担当。口角を上げる練習をします。
母である私はあいさつ担当です。
お辞儀の作法も練習しますし、返事の仕方の練習などもするんです。」
もう言葉も出ませんね。。。
これが本当に毎日行われているというのです。
森さんが自然と会社を継ぐ意思を持つようになったのも納得!
ご両親としても、
人として大切な部分を育てたい
という想いからこの毎朝の朝礼を始めたそう。
『ほほえみ読本』には、
人生を豊かに、そして丁寧に生きるために大切なことが
たくさん詰め込まれています。
その中の1節を少し紹介。
『荒野に灯をともせ』
俺たちは開拓者だ
荒野を拓くが如く
理想の狼火を 一粒の麦を育てるが如く
愛の灯を
それがどんなに若く 小さくとも
たゆまず燃やしつづけよう
こうした詩を大きくなるまで毎日読むことで、
どれほど素敵な人柄を形成していくか、
それはお子さまたちを見ればすぐに分かりました。
左からお母様のさといさん、末っ子の翠さん、ご長男の森さん、漢方ドクターの薜さん。
突然のインタビューにも快く応じてくださいました。
こうした後継者の育て方もあるんですね。
なかなかここまでするのは大変かもしれませんが、
後継者問題で悩みたくないなら、こうした早くからの教育も1つの手です。
さぁそこの社長さん!
明日は5時半から家族揃って朝礼!!
きっと未来の後継者問題解決につながりますよ(笑)