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開設1200年、資本主義にどっぷり浸った僕らのお遍路【四国】

  • [レポート]

四国88ヶ所霊場をめぐる「お遍路」は開創1200年。
小学3年生の子供とお遍路体験してきました。

 

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徳島まで高速バスで移動し、列車に乗り換えて第1番霊山寺のある板東駅まで行きます。
列車は、ディーゼルで単線です。
途中、向こうから来る電車を待つ駅で「すごいところにきたね」と息子氏。
駅前にコンビにもない様子に驚いていました。

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駅に到着し、一番札所まで歩きました。
お寺に着いて何をしていいやら戸惑っていると、参拝に来ていたおばさんが売店などを案内してくれました。

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寺の本堂の横にある売店には、お遍路用品が売っています。
全部そろえたら結構な金額になってしまいそうです。

どうしようかな、と悩んでいると、横で息子さんは声に出して露骨にお金を計算しています。
(そろばん得意なそうです)
巡礼だからお金のことばかり言っては失礼になると思うのですが・・・(汗)

結局次の用品をそろえました.

・白衣

かつては困難な旅立ったため「いつどこで死んでもいいように」と白装束を着て歩いたそうです。うどんの汁を飛ばして汚さないようにヒヤヒヤしました。

・納経帳

それぞれの札所でお参りをした証を書いてもらうものです。

・金剛杖

弘法大師の分身と言われる杖。大切に扱う必要あり。

・納め札

名前を書き、お参りをしたときに納めたり、ご接待を受けたときに渡したりします。

・菅笠

日よけ、雨よけ用の笠。

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杖と笠は子供用も買って合計1万2千円オーバー。
あっさり1泊分の宿泊費の予算を超えてしまいました!
これでもかなり出費を抑えたのですが・・・

む、む、む。

信仰にもお金がかかります。
いや、いや、損得勘定の問題じゃありません。
御浄銭なり。

同行二人。
空海さん、これからよろしくお願いします!

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1番札所の参拝を見よう見まねで終え、2番の札所へ。
この間は1キロぐらいしかいので楽ちんです。

お寺に着いたら本堂に行き、手を清め、納め札を納めました。

納め札とは、名前や住所など書いて使う名刺のようなものです。
巡拝の回数によって使う札の色が白、青、赤と変わります。
25回以上は銀、50回は金、100回以上では錦になるとか。
秋葉原のメードカフェのメンバーカードの色が、来店回数によって変わるシステムを思い出しました。

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本堂と大師堂への参拝が終わったら、納経帳に墨書と朱印をいただきます。
スタンプを押して、サラサラと筆で文字を書いてもらいます。
「スタンプラリーだね」と息子氏。
だから、あまり俗世の概念を持ち込まないように・・・

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▲各札所のご本尊を写した御影(左)もいただけます

 

いや、しかし、随所に人をのめり込ませる仕掛けが用意されているのも事実です。
たとえばこの納経ならば、一度はじめると最後までコンプリートしたくなるものです。

この納経は1回300円
札所には参拝料がないので、京都の寺のそれなどと比べたらリーズナブルです。

しかし、88ヶ所もあるので全部回ると、2万6400円!

この代金はボディーブローのように効いてきます。
あっ、すぐにお金のことを考えてはいけません。
資本主義に毒されすぎている僕らです。

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その後3番、4番、5番のお寺をめぐりました。
3番と4番の間は6.5キロあり、歩いているときには強い雨が降り出しました。
そうなると現代の僕らでもかなり心細くなってきます。
車や電話のなかった時代のお遍路となると、さぞ不安だったことでしょう。

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初日は第5番の地蔵寺の門前にある民宿に宿泊です。
13キロぐらい歩きました。

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民宿では、宿泊客みんながそろって夕飯を食べます。
私たちのほかに、3組4名の男性ばかりが泊まっていました。

大阪や福井、横浜、大分とさまざまな地方から来ています。
みなさん定年を迎えていて、歩いて一周しようとする人ばかりでした。

「ずっと会社を定年になったらお遍路に行きたいと願っていて、
3日前に定年になったのですぐにきました」
という方も。
そんなお話を聞くと、中途半端な気分でやってきた僕の良心が少々痛みます。

食事中に宿のおばさんがやってきて「明日朝の食事は何時がいいですか?」と。
一人が「6時でお願いします」と発言。

すると翌朝、僕らまでもが5時45分に起こされることに。
もっと寝させて欲しかった・・・なぜか一蓮托生。

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さあ2日目の出発です。
今日は歩けるところまで歩き、状況によってもう一泊するか、帰るか決めようという感じです。

昨夜の雨で急に気温が下がり、強風が吹いていました。
笠は吹き飛ばされるし、つらい道程となりました。

 

ところで皆さんは、お遍路といえば何を連想しますか?
僕ならば、そう『ご接待』です。
テレビなどを観ていると、僕らもすごい接待攻勢を受けてしまうのでは、と思っていました。
「骨抜きになって、収賄罪でつかまっちゃうかも・・・」というぐらいに。

歩きながら地元の方と目が合うと「いよいよご接待が来るか!?」と気を揉む自意識過剰ぶり。

・・・ところが、長いこと何も起こりませんでした。
どうやら過大な幻想を抱いてしまっていたようです。

 

しかし、ついにきましたその瞬間!

第7番十楽寺では、地元の婦人サークルの方々から、甘酒やお菓子などを振舞われました。

でも、婦人サークルの方々も、ご接待をするのは年に1、2回とのことです。
やはりご接待の文化も、だんだん廃れつつあるようです。

ちなみにここで、取材にきていた地元のケーブルテレビから、うちの子供がインタビューを受けました。

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第7番の納経所で納経をしてもらっていると、横にある売店を見ていた息子氏がうれしそうに話をします。

「ここでは杖が1200円で売っているよ
(一番寺では1600円)。
途中の7番まできて杖を買う人は少ないから、
値下げして買わせようとしているんだね」
と。

見事に資本主義の原理を説明してくれました。
納経所のお姉さんも苦笑いです・・・

そんなやり取りで冷静さ欠いたためか、僕はここで参拝の証明となる納経帳を忘れてしまいました。
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しばらく歩いてから落し物に気づき、再び7番へ戻りました。
疲労も溜まっていることもあって、足が非常に重たく感じます。

納経帳が見つかりホッとしたところに、先ほどのご接待をしてくれた婦人会の方のお一人とお会いしました。
そして「次のお寺まで車で送りましょうか?」と。

ご接待、サイコー!!!

自分の足で歩きたいという息子の反対は無視し、ありがたくお言葉に甘えさせていただきました。

 

その後は、急に車が止まったと思ったら、降りてきたおじさんから栄養ドリンクをいただきました。
その方からは、さらに「お守り代わりに」と、錦の納め札を。
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▲左が僕らの使っていた白い納め札、右が錦

なんと118回もお遍路を回ったそうです!
すごい!
そして、ありがたい。

道を迷っていたときには、車でわざわざ戻ってきて道案内をしていただいたこともありました。
皆さんにとてもよくしていただき、子供も「このあたりは親切な人が多いね」と。
世知辛い現代においても、やさしさが残る土地柄です。

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そうして、結局2日目は10番寺でタイムアップ。
すごい急な階段を何段も登って参拝し、もより駅まで歩いて自宅へ帰ることにしました。

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本日の移動は約28キロ。
足がかなり疲れました。
子供は弱音も吐かずがんばりました。

 

 

やさしさとか信仰とか、都会で失われつつあるものが四国にはまだまだ残っているような気がします。
おおらかな景色と空の広さを感じながら、また次の来ようと思いました。

でも次は、バイクか車がいいかな・・・

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(おわり)
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