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【明治元年創業尾辰商店】五代目の事業継承&リノベーション!~前編~

  • [レポート]

今日は、築地で仲卸を営む
明治元年創業【尾辰商店】の五代目河野竜太朗さんに
お話をお伺いしました。

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尾辰商店は仲卸業者として、
全国の港から築地に届く新鮮な魚を仕入れ、
鮨店や居酒屋などの飲食店に販売しています。
現在は4号店まであり、
お得意様は都内になんと500店も!

五代目である河野さんは、
10年前まで印刷屋で働いていたサラリーマンでしたが、
ひょんなことから築地の魚屋を継ぐことになりました。
そして、魚屋を継いでからは法人化を行い、
百貨店にお店を出したり、飲食店を出されたりと、
事業拡大にも熱心に取り組まれています。

 

尾辰商店
▲河野さんとスタッフのみなさま
(尾辰商店ホームページよりhttp://www.tsukisuso.com/about.html)

 

河野さんはまさにリノベーション起業を体現されているお方!
今日はこれからリノベーション起業を志す人にもためになるお話しを
河野さんから色々お聞きしたいと思います。

-はじめまして。
河野さんはサラリーマンから魚屋を継いだとお聞きしましたが、
いったいどのような経緯で継ぐことになったのですか?

 

「大学を卒業してから12年間は大手印刷会社に勤めてました。
普通のサラリーマンです。
34歳のとき、妻の父から『知り合いの魚屋に継ぎ手がいないから竜太朗どうだ?』
っていう電話が来たんです。
義父の言葉には逆らえませんからね(笑)
そんなこんなで魚屋を継ぐことになりました」

 

市場

 

-それはまた突然ですね!
奥様の実家が魚屋だったんですか?

 

「いえいえ、義父の経営する会社の秘書の方の実家が魚屋だったんです。
はっきり言って何の血縁関係もないです(笑)
ただ、義父とも信頼関係がある方だったんで、
そこの魚屋を継ぐことにもそれほど不安はなかったですね」

-全く知らない業界に入ることには不安はなかったですか?

 

「もちろんありましたよ。
魚業界のことなんて全く知らなかったですから。
なので1ヶ月くらいはどうしようか悩みました。
でも〈魚食〉は古くから日本に根付いているので、
この先なくなることはないだろうなって思ったんです。
きっと食いっぱぐれることはないだろうなって。
あと、築地を見に行ったときに
働いている人が年配の方ばっかりだったのを見て、
この世界で自分でも勝てるんじゃないかなってなんとなく思いました」

 

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-なるほど。
当時の尾辰商店はどういった状況だったんですか?

 

「当時は番頭さんを含めて5人くらいの従業員がいました。
みんな70歳くらいの高齢の方ばかり。
先代の社長も当時は70歳くらいでしたね。
私が会社を継ぐとなった時、社員みんなは嫌がるというよりも、
ほんとに継いで大丈夫なの?という感じでした。」

 

 

-先代の方も受け入れてくださったんですか?

 

「そうですね。
先代(4代目)も実は婿養子だったんです。
3代目が事業拡大しすぎていたんですが、
それをなんとか縮小して無借金に抑えたのが4代目。
だからこそ経営の大変さを良く知っているので、
私が跡継ぎになると言ったときには
『本当に継ぐのか!?』と思ったみたいでした。」

 

尾辰
▲築地の尾辰商店のようす

-魚屋に入られてまず大変なことは何でしたか?

 

「まずは魚の名前を覚えることに苦労しましたね。
当時の尾辰商店の社長にくっついて
社長が買っている魚をひたすらメモしながら覚えたり、
魚の目利きも仕入先の人に聞いたりしました。
あとはまぁ朝が早いってことですかね。
夜中1時起きで2時出勤でしたから。」

 

 

-それは大変ですね!

 

「でも前職もたくさんプロジェクトを抱えて忙しかったんで、
魚屋になって急に毎日が大変になったってことはなかったですね。
それより、もっと時間を使えないかなって思ったんです。
意外と築地って若い人がバイトで働いていて、
例えばボクサー志望の若者が、朝は築地で働いて、それから練習、
みたいな生活パターンを送っていたりしたんですよ。
その姿を見て、自分も睡眠時間を削れるんじゃないかなって(笑)」

 

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-その時間を何に使おうと思ったんですか?

 

「これまでの人とは違うことがしたいって思ったんで、
睡眠時間を削って尾辰商店のお客さんのお店に行くようにしました。
みんな『今まで店に来てくれるような仲卸の人はいなかった』と喜んでくれて、
1回飲みに行くとその後も絶対うちに魚を買いに来てくれるんです。
売り上げも上がるし自分も楽しかったので、
その後もお客さんの店に通い続けました。」

-それはすごい!

 

「みんな自分のことをおもしろがってくれて、
そしたらまた色んな面白い人を紹介してくれるようになるんですよ。
みんなで一緒に全国各地のいろんな漁場に行くようになったり、
焼肉屋を借りきってさんまパーティーやったり
ライブハウスを借りきってポン酢のリリースパーティーやったり
魚屋じゃないことも色々やりましたね。
思ってた以上に魚屋って楽しめるんですよ。」

-まさに魚屋革命ですね!


この後、河野さんは尾辰商店を法人化し、
代表取締役となります。

次回は経営についてや社員との関係など
経営者になられてからの苦労話も含めて
みなさまにお届けしますので、
どうぞお楽しみに!

 

(つづく)

BB編集部だより

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