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銭湯を残す!!業界若手のホープ【日の出湯4代目田村祐一さん】

  • [レポート]

●日本のサラリーマンとは戦えない

 

「外に働きに出たくなかったんです。
通勤のラッシュがとても僕には耐えられないって思って・・・
あのラッシュに負けない日本のサラリーマンって強いですよ。
同じ土俵に立ったら絶対勝てません」

 

家業の銭湯を継いだ理由を話す、
浅草「日の出湯」4代目の田村祐一さん。
大学を卒業してそのままお風呂屋さんになるのは、
業界でも珍しいそうです。

 

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「自営業は大変では?と、よく聞かれます。
責任を自分で取らなければいけませんから。
言われてみるとたしかにそうで、
ダラダラしていたら全部自分に返ってきます。
でも自分でガイドラインを決められる気楽さもありまして、
僕にはこっちのほうが向いているのでしょう」

組織の中でルールに従って
きっちり仕事をするというスタイルが
今の主流です。
なのに、
「すべて自分の責任で
事業をやることへの抵抗はなかったのか?」
質問してみた答えがこれです。

 

では、若い人が大きな組織を離れがたい別の理由として、
お休みがとりづらいことついて聞いてみました。

「風呂屋は毎日やらないといけませんし、
僕自身オンとオフの差はありません。
衛生を扱うのでこれは仕方ないですね。

それでも機会があれば、
店をしめて休みをとれるように心がけてはいます。
休んだらお客さんから怒られるかも、と不安でした。
でもありがたいことに、
ほとんどの方が理解してくれて・・・
たまには仕事休んでリフレッシュしなさい、
って感じでした」

 

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●減っていく銭湯・・・

 

「風呂屋になってみて、
銭湯の数がたいへん減っていることを
意識するようになりました。
僕が高校ぐらいのときには、
大田区に120以上の銭湯があったと思いますが、
今は50ちょっとといったところです。

こんな状況を相当まずいと思いました。
初期投資とかを考えたら、
新しい銭湯を作ることは難しいでしょうから、
今あるものを残さないと・・・
銭湯が無くなるのはさびしいです」

 

田村さんは、
業界を盛り上げたいと、
イベントの開催やサイトの開設などに
動きはじめました。

「5年前には、
どんな銭湯でもできるように、
バックヤードツアーのような
イベントを企画しました。
銭湯の裏側を見せて、
湯沸しなどを体験できるものです。

銭湯に行ったことがないような人に
興味を持ってもらいたかったのですが、
来たのはほとんど既存の銭湯ファンの方でしたね(笑)

それから、
〜銭湯の未来を創るWEBマガジン〜 SAVE THE 銭湯!
というサイトも作りました。

 

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銭湯について、
コンサルタントやデザイナーなどの
クリエーターにインタビューをしました。
そうすれば、銭湯には興味がなくても、
そのクリエーターが語ることに
興味がある人のところにまで
銭湯の言葉を届けられると考えたのです。

このサイトをはじめたことで、
メディアからたくさん
お声がけいただけるようになりました」

こうした草の根的な運動を続けながら、
地道に「銭湯っていいじゃん」と
思ってくれる人を増したいと語ります。

 

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●あたりまえのことをちゃんとやれば・・・

田村さんは、平成27年1月末に
著書を出版されました。

 

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※『銭湯の番台が心がけている・常連さんが増える会話のコツ(プレジデント社)』

 

この本は、
田村さんが元浅草の銭湯で働きだして
売上げを増やした経験に基づいて書かれています。

 

「元浅草の銭湯をどうするか?
という家族会議になったとき、
父親が『廃業する!』って言いだしたんです。

それを聞いて
『そんなことはさせたくない。
だったら僕が住み込んで運営する』って(笑)

今は売上げを増やすことができて、
どうにか維持することができています」

 

廃業寸前の銭湯を立て直した田村さん。
はたしてどんな魔法をつかったのでしょうか?

「いえ、僕はしっかりお客さんと
コミュニケーションをとっただけなんです。
銭湯というとお湯を売っていると
思う方がいるかもしれませんが、
僕は接客業だと思っています。

お客さんはご高齢の方が多いのですが、
おかげさまで
『あそこの風呂は感じが良い』
っておっしゃってもらって。
それがクチコミとなって、
新たなお客さんも連れてきてくれました。

最後はやはり人と人の関係だと思います。
当たり前のことをちゃんとやれれば、
銭湯だって残っていけると今は感じています」

 

ついつい私たちは、
小手先のビジネステクニックなどを
求めてしまいそうになるものです。
でも田村さんのお話は、
商いをしっかりやることこそが、
成果への近道だと教えてくれているようです。

 

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(おわり)

 

BB編集部だより

  • FireShot Capture 11 - 『事業承継・廃業相談室』社長交代から後継者さがし、相続、事業譲渡まで – 社長のおくりびと奥村聡が事業_ - http___syoukei-lab.com_

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    新サイトの『事業承継・廃業相談室』をオープンしました!
    子供から第三者への承継、社長の相続、廃業と・・・会社経営の出口の場面のリアルなところをお伝えできればと思っています。
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