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ベン、ベン、ベーン♪ 三味線の世界では?(後編)

  • [レポート]

長唄三味線の演奏家
杵屋禄山(キネヤ・ロクザン)さんとの
対談の後編です。

⇒前編はこちら

 

記者:三味線の演奏家になってからはどう?
大変だったことは?

禄山:大学卒業したあとが辛かったな。

同級生のみんなは仕事しているのに、
自分はひたすら家にこもって
ひたすら曲を覚える日々で。

「自分は何しているんだろう」って。

記者:その感覚わかる!

僕も百貨店辞めて司法書士の試験勉強しているときが、
社会に居場所がなくなった気がして辛かった。

 

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 禄山さんと記者

 

禄山:そうそう、そんな感じ。

でも、そのときがんばったから、
後が少し楽になったね。

もちろん日々の研鑽はずっと必要で、
演奏会などにむけたテスト勉強を
いつも課せられている気分だよ。

記者:へー、じゃあ反対に、
良かったことは?

禄山:やっぱり、舞台に上がっているからこそ
味わえる感動があるかな。

たとえば、今は亡き中村勘三郎の歌舞伎の舞台で
演奏したときは涙が出てきたね。

終わったあとに、
お客さんがスタンディングオベーションをしてくれて。

もちろん、僕が主役じゃないけど
「こんな舞台に一緒にたずさわれて幸せだ」と。

記者:いいねえ。

禄山:あとは、お弟子さんが舞台で、
教えたように上手くやってくれるとうれしいよ。

 

 

記者:伝える側としては
どんなモチベーションでやっているの?

禄山:長唄の世界の裾野を広げることを意識しているよ。

今は、三味線に関わる人が高齢化しているから、
若い人が入ってきてくれないと
業界が小さくなっちゃうからね。

今、横須賀の保育園で三味線を教えているけど、
そのあたりを意識してやっているよ。

子供たちは何のことかよく分からずに
教わっているだろうし、
習ったことなんてすぐに忘れちゃうかもしれない。

でも、いつの日にか
「そういえば、昔、三味線弾いてたな」って
思い出して興味を持ってもらえたらいいな、って。

 

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お稽古にお邪魔させてもらいました。
意外や、いまどき(?)の若い男性のお弟子さんです。

 

 

記者:ふーん、なるほどね。

ところで禄山さんに三味線を習っているお弟子さんは、
何を目指して習っているの?

プロの演奏家を目指している人もいるの?

禄山:ほとんどのお弟子さんは
プロを目指しているわけではなく、
純粋に腕を磨きたい感じだね。

 

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演奏を聴いているうちに、音に酔い、
次第に心地よさを感じました。

 

 

記者:禄山さんみたいなプロになるためには、
何か試験とかがあるの?

禄山:そうだね。まず『名取』になるための試験があるんだ。

いわゆる芸名をもらうための試験。

その次に人に教える事が出来る、
師範になるための試験があります。

でも、名取や師範になったとしても、
それでプロになったという訳でもないんだけどね。

記者:その名って、誰がくれるの?

禄山:師匠が家元に推薦し、
試験に合格すると家元から名を
与えられるようになっているの。

記者:なるほど。

そこにお金が発生するんでしょ?

禄山:そう。名取料として、
お弟子さんがうちの流派である杵勝会にお金を納めるの。

記者:こうして、制度の維持拡大が図られるんだ。

ちなみに、その金額の相場って・・・?

禄山:機密事項(笑)
まあ、ウン十万円かかるよ。

 

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記者も三味線を触らせてもらいました。
これは稽古用で、高価な本番用は別にあるそうです。

 

 

記者:名といえば、
禄山さんも先代の襲名とかするの?

禄山:今の名前には愛着があるんだけどね。

でも、そのうちするよ。

ウチの父親は、最近じいちゃんの名を継いで、
禄宣から勝禄になったよ。

記者:なんか襲名って不思議な制度だよね。

急に自分を捨てて、別人になるようで。

禄山:名前を継ぐってことは、
芸風も継ぐってことだからね。

それが伝統芸能の世界なのかな。

記者:個を捨て、公に生きるって感じかな・・・。

今の世の中は個が重視されているからか、
生き方として不思議な感じだよね。

たとえば桂三枝が桂文枝を襲名したけど
桂三枝の名のほうが有名でしょ。

自分みたいな素人感覚では、
なんでわざわざマイナーな名にしちゃうのって(笑)

禄山:たしかに(笑)

だから僕は襲名よりもまず、
禄山の名を大きくしたいと思う気持ちもあるんだ。

 

 

記者:禄山さんには、小さな二人の子がいるけど、
将来的には道を継がせるつもりなの?

禄山:基本的には自由にさせようと思っている。

強制させるつもりはなくて、
自分で選んだらやればいいと考えているよ。

記者:なるほど。

でもきっかけ作りぐらいはするんでしょ?

 

994587_344622342339614_1678173403_n[1]
お子さんがはじめてお祖父さんから
稽古をつけてもらったときの写真

 

禄山:そうだね。

三味線に触れて演奏する機会は、
小さな頃から作ってあげようとしているよ。

小さなうちに種だけは植えて、おこうと。

こういう家系に生まれた人間として、
子供に種を植えておくことまでは自分の義務だと思うんだ。

記者:将来、その種を育てるかどうかは、本人次第だと!?

禄山:うん、そういうこと(笑)

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三代そろって、はいポーズ!

 

≪お知らせ≫

禄山さんの活動予定は
長唄協会のサイト
杵勝会のサイト
などをチェックしてください。

平成25年9月7日(土)の
長唄協会関西公演では、
弟さんとの競演も予定されているそうです。

 

大阪帝塚山と京都出町柳で教室を開いています。
お気軽にお問い合わせくださいとのこと。
連絡先・rokuzan@nagauta.com

BB編集部だより

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