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『山形県紅花資料館』“ガッカリ箱もの”エントリーNO.1 

  • [レポート]

高い税金費やして
なんでこんなの作っちゃったのかねぇ。。。

と思わず愚痴りたくなってしまう公共施設。

ありますねぇ。

全国に点在するこんな“ガッカリ箱もの”を
世の中に訴えていこうではないか!
と意を決して立ち上がったABBA編集部。

淡路島の平和大観音から
はじまった「世界”迷惑”遺産」につづき、
こちらもシリーズ化して紹介していきたいと思います。

全ては同じ過ちを繰り返さないため!!

みなさんどうか怒りを抑えてご覧下さい。

 

エントリーNO.1
山形県河北町 『紅花資料館

 

山形県河北町は昔から米と紅花が盛んだったところ。

その紅花を用いた「紅花染め」というものが、
この地域では伝統工芸として継承されていたそうです。

そこで山形県は紅花染めの文化を発信すべく、
「紅花資料館」を作りました。

紅花資料館
近郷きっての富豪だった堀米四郎兵衛の屋敷跡を使用。
資料館をつくるために、武器や生活用品および古文書など
5000点をかき集めたのだとか。

 

さて、ここからが問題です。
この資料館のどこが、“がっかり”なのでしょうか?

 

まずこの資料館が建てられた経緯から見ていきましょう。

平成4年に山形県で国体が開かれました。
国体を開催するため県は10年かけて
着々と準備を進めていたのだとか。

国体は県の文化や歴史を人々に伝えるチャンス!!

しかも名前は「べにばな国体」!!

紅花

ということで山形県ははりきって
紅花資料館をつくることにしたのです。

 

しかし、ここで問題が。
なんとその時にはすでに紅花染めを行っている人が
1人もいなかったのです。
また、コスト面の問題も。

この紅花染め、伝統的な染め方を忠実に行うと、
計8回も染めなければなりません。

1回に用いる紅花の原料「紅もち」は、
1kgの布を染めるのに1kg必要です。

ということは、8回染めるために8kgの原料を要します。

DSCF6601

原料の紅もち。今は生産している人がほとんどいないため、
価格が高くなっています。

 

そして、
この原料の紅もちは1kgあたり36,000円
8kgだと・・・288,000円!!

そんなにかかっては、
産業として紅花染めを行うことなんて到底できない。。。

このため、趣味で紅花染めを行っている人はいても、
家業として行っている人は全くいなくなっていたのでした。

 

とはいえ紅花資料館をつくるためには職人が必要です。
そこで、ある1人の男性が、
紅花染めの手ほどきを受けることなりました。

 

DSCF6597

それがこのお方、鈴木孝男さん。

もともと紅花とは全く無縁の方でしたが、
約3年の修行期間を経て、紅花染め職人となったのでした。

それもこれも山形国体に紅花資料館を間に合わせるためです。

“伝統産業ってこういうものなの!?”

あまりの無理やり感に、思わずツッコミを入れてしまいます。

 

写真 (48)
濃い赤色の方が8回染めたもの。
その上にあるピンク色の紐は1回染めただけのもの。
こんなに違いが出ます。

 

この資料館をたてる費用は
竹下首相の時に自治体に1億円がばらまかれた
あの補助金が利用されています。

補助金と自治体の積立金をプラスした
約3億4,000万円が建設費とのこと。

 

そんな紅花資料館。

国体から22年経った今どうなっているかというと、
観光協会の管理の下、運営されています。

観光協会は百貨店などと提携し、
物産展などを必死に行っているようですが・・・

なんと、もともと働いていた紅花の職人さんたちを
追い出してしまったのです。

そのため、紅花資料館には紅花について
説明できる人が1人もいないのが現状。

DSCF6611
紅花資料館の現状に呆れた様子の鈴木さん。
いろいろな裏事情を教えてくださいました。

 

紅花資料館なのに・・・。

このちぐはぐさが、なんとも痛い。

紅花染めを後世に残そう、
という意気込みは自治体にあるのか、
ないのか・・・
ガッカリというか、もう呆れ返ってしまう箱モノ。

エントリ-NO.1としてはふさわしいものでしたが、
どこかスッキリしないのは私だけでしょうか・・・。

 

余談ですが、
山形国体のために紅花染めの技術を手にした
おじさんとの出会いは、
渋谷のヒカリエで行われた伝統工芸のイベントでした。
DSCF6599

 

紅花染めの後継者は探していないんですか?
と尋ねると、

「後継者なんていないよ~。
もともと私も国体のために職人になったようなもんだから。
こんなお金かかる産業じゃ生きていけないし、
ちょっとほかの人には勧められないよね・・・」

とのこと。

 

う~ん、これでいいのか日本!!

 

《編集部からのお願い》

みなさんからの連絡をお待ちしております。

「ガッカリ箱もの」
ならびに
「世界”迷惑”遺産」
の情報があれば、ABBA編集部にお知らせください!

BB編集部だより

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